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真夜中の公園で1人で聞いてください[タングステン・ヒューズ]
ライブをするタングステン・ヒューズのインタビューです。


◆群集の中でひとりぼっち

----最近お気に入りのCDは?

藤原 U2の新譜買ったくらい。でもやっぱり初期の3枚にはかなわないのかな、と思いました。

西垣 そういえば盗まれた新譜勝手に発表されませんでしたね。

藤原 そうだね、ただ単に家で聞きたかったんじゃない?

西垣 僕は70年代後期から、80年代前半にかけての NEW WAVE が好きなんだけど、最近もそればかり聞いています。何で好きなのかな、と考えたんですけど。そのころって今の音楽の雛型が出てきた時期で、音が整理されていない感じが好きなのかな、と思いました。結構音楽的には素人だった人が多いのですが、「新しいことやってやろう」というやる気に満ちた感じが音源からも伝わってきて。なんか生き様が伝わってくる感じが魅力的ですね。タングステン・ヒューズも「新しいことやろう」と思ってはじめたので。

藤原 最近ちょっと落ち着いちゃったけど、この前タングステンの初期の音源を聞いたら、ものすごい衝撃を受けたよね。

西垣 そうですね、前作『Silence Bass』を作る前にも曲を作っていたんですけど、

藤原 それを聞き直したら、

西垣 刺々しかったですよね。

藤原 かなり「毒」になっている。「毒にも薬にもならない」じゃなくて、「毒」になってる

西垣 そう。ある人に「君らの音源にはまだ毒が足りない」と言われたのですが、初期はもっと毒々しかった。

藤原 たしかに突っ走ってる感じはあったよね。

----じゃ、昔に戻った方がいいってことなのかな。

藤原 いや、そっちを見つめつつ。

西垣 気持ちは昔のまま。音質を上げていこう、という感じですよね。

藤原 原点回帰ではないけど、忘れていた何かを、これは忘れちゃいけないな、と思い直しました。

----初心忘れるべからず。

藤原 まさしくそれかもしれない。

----やっていくうちに、こなれてくるところもあると思うけど。

西垣 なんか整頓されすぎちゃいましたよね。

藤原 最近作っている音源は本当にこなれてきてしまっている感じはありますね。逆に言うと、「薬」になってしまっているというか。

西垣 『Silence Bass』をあるレコード屋の店長さんに聞いていただいたところ、「まとまりがない、何をやりたいのか定まっていない」といわれて、今回の『4』は志向性をまとめてみたんです。そうすると逆にまとめすぎちゃったのかな、と。せっかくのレコ発イベントなのでマイナスになることは言わない方がいいと思うけど(笑)。この『4』も非常に気に入っているんですけど、次回はまた違う方向で行こうかな、と。

藤原 でも1曲目の『あだ花』はバンドを組んで1ヶ月くらいで作った曲なので。

西垣 そうですね『Silence Bass』のどの曲よりも前に作った曲です。なぜかボツにされてて、二人の中で。それがあるときライブでやってみたら・・・

藤原 というか、スタジオで思ったよりノリがよくて、

西垣 ライブで一番好評な曲ですよね。

藤原 やってるほうも楽しいしね。トラック自体は、1年半前くらいのままそれを使っているから。空気は1年半前のものを維持しているかな、と思われます。

----ライブでタングステンの音楽をすることで、オーディエンスにどうなってほしい? ジャンプしてほしいとか。

西垣 タングステンの音楽は、「他者不在」ですね。オーディエンスの方をまったく見ないし、MCもしない。やりっぱなしですよね。

藤原 まあね。

西垣 まあ、酒飲みながら聞いてもらってもいいし。

藤原 普通にリズムに身体揺らしてもらってもいいし。

----じゃ、いくらお金かかっても構わなくて、どこでやってもいいと言われたら、どこでやってみたい? 一番しっくりきそうなところは?

西垣 まあライブハウスですね。

藤原 うん、ストリートってことはないし。

西垣 クラブで、ターンテーブルの前でやるのも楽しいし。

藤原 まあ、居酒屋でやって、ものすごく多くの人を酔わせたりできたら、してやったりかな、と(笑)。聞き込ませたら勝ちかな、と。目を点にさせて。「びくっ」と。「ううううっ」というかんじ

----あまりこれをみんなが合唱するところは思い浮かばないですね。

藤原 そうですね。

----でもノッたりしていることはあるかもね。

藤原 VJでスキャンダラスなのが合うんじゃないかと言われたね。

----一応今後タングステン・ヒューズをひとつの商品としていく上で、どんな特徴をもったものとして売り出していくといいかな。こんな特効薬です、とか。坂本龍一だったら癒されますよ、とか、スマップだったら元気になるよ、というのだと、タングステンだと、目が点になる?

藤原 ある意味、聞くものを圧倒させる。そこにあるのは不安かもしれないし。自分の殻にもっと閉じこもっちゃうような感じでもあるし。

----それは、あれですか。最近NEETとかが増加している現代社会の病理を反映させたものですか(笑)

藤原 NEETくんとはたぶん関係ないと思うんだけど(笑)

----この前も引きこもっていて、親を殺した人がいたけど、あの事件はどう思いましたか?

藤原 まあ相続殺人はよくないですよね。

西垣 なんか、ちょっと違いますね。内側に向いているんですけど、あれは、一人の世界の中での孤独って感じだけど、うちらの音楽は、群集の中でひとりぼっちっていう。友達がいないから一人ぼっちなんじゃなくて、友達がいても一人ぼっちとか、そういう感じですね。外に出歩かない人じゃなくて、いつも外で歩いているんだけど、ひとりぼっちっていう。

----都会的なんだ

西垣 そうですね。

藤原 まあ一人ぼっちっていうのはそうだね。それでいることにドキドキしているような感じはあるな。なんかそういう妙な高揚感に似ているかな、と思います。

----1人でいることを楽しんでいる・・・でもタングステンは2人だよね。2人で1人のありようを出している感じなのかな。

西垣 一蓮托生ですよね。僕ら2人。

藤原 まあそうだけど


◆「4」全曲解説

----では、作品のほうに。『4』というタイトルはどこから来たんですか?

西垣 4曲入りだからですね。

----じゃ、5曲入りなら「5」なんですか?

西垣 いや、ちがいます。4という数字にですね・・・四面楚歌。

藤原 そうなの? 4ていう数字がでんとある感じなんじゃないの?

----レニー・クラヴィッツの5枚目が「5」というアルバムですが、それを意識したものですか?

西垣 いや、それ知らないです。

----今回のコンセプトはなんでしょうか。

藤原 コンセプトというのは特になくて、最近の自分達の流れをまとめたような感じです。いわゆるこなれてきた感じ。歌詞の内容も、まさしくリアルな自分達だし。

西垣 非常にまとまりのある感じですね。

藤原 流れはひとつになっているな、と思っているし。

----第1期の集大成、と言う感じですかね。

西垣 そうですね。次からまた変えていきたいですね。

藤原 また自分達で何か発見があって、違った形のものができていくのかな、と思います。

----では聞いてみましょう


Track1「あだ花」

藤原 右手という単語が良く出てきますよね。

西垣 そういえばそうですね。

藤原 投げかけるよね。「どうなのか?」とか。

西垣 そうですね。自問自答。なんか歌詞に出てくるのは、知り合いだったり、必ず誰かしらのことで。

藤原 常に一人称だよね。まあそのへんがいわゆる1人、孤独、内に向かっていく感じにつながっていくんだよね。

----問いかけは自問自答しているの? それとも誰かに話しかけているの?

西垣 自分に対して聞いているのと、返事がこないのは判っているけど、人に投げかけている感じですかね。全部誰かのことを言っているんですけど、それが深く関係のある人だったり、ただの知り合いだったり、一回しか会ったことのない人だったり。ぜんぶ誰かのことを歌っている感じですね。僕が、その人のことをこういう風に思う、と。

----「あだ花」はギターのリフが印象に残りますね。どこにタイミングをとっているのかよくわからない。

藤原 それがねらいですね。そう感じてもらえれば、してやったりなんだけど。

----浮遊感がありますね。

藤原 耳についてまとわりつくようなかんじ。 

----ステレオで右に行ったり左に行ったりしてそう。

藤原 そうですね。右と左で違うトラックが流れていたり、微妙に違うギターの音が流れていたり。

西垣 藤原くんのギターは、漢字一文字で言うと、「妖」っていう感じですね。

----タイアップするとしたら何がいいかな

西垣 お酒とかどうですかね。

----宝焼酎とか。

西垣 そうですね。ジンロとか。

----そうね。さっきのうるさくなったところから急に静かになったあたりで、「タカラ」とか。

西垣 静かな部屋で、女の人が1人で酒を飲んでて、突然「ワッ」と曲が始まって、人がたくさん入ってきて、部屋が明るくなって、また曲がぱっと切れたら、やっぱり1人で飲んでいた・・・っていう感じですか。

----おもしろそうだね。プロモーションビデオ作りたいね。フィルターとかガンガン使って、何が写っているのかよくわからないかんじで。

藤原 映画で、車に乗っているシーンでラジオから小さい音で流れてたりするのにも合っている気がする。

西垣 今の気分をあらわすのに。

----結構ポップだよね。あやしいと言いながらも。本当に暗い気分にはならない。

藤原 そうですね。どん底まで叩き落すことはないですね。

西垣 まあ僕ら楽しんでやっているんでね。苦しんで辛い気持ちで作っているわけじゃないからですかね。

藤原 初期は叩き落してやろうかという感じだったけど。いつもライブの最後でやってる『東京パルチザン』とか。

西垣 あの曲を聴いた友達が「暗黒青春ロックだ」って言ってたんだけど。

藤原 そうだね。ザクっとしているよね。ザクザクしているかんじ。

----そんなにヒットチャートに上るようなポップな感じじゃないんだけど、ジョン・ゾーンみたいなウワーっていう前衛的な感じじゃなくて。

藤原 そうですね。意外とふつうかも。歌メロとか意識して作るとまた違ってくるかもしれないけど。


Track2「cure」

藤原 これは、かなりポップですね。

----ソウルセットだね。

西垣 このトラックにふつうに歌メロ乗っけてもいいね。一番最初にオケを聴いたとき、ロバート・スミスの「CURE」を連想したから、『cure』っていうタイトルにしたんだけど。もしくは、クラッシュとか、オリジナル・パンクスっぽいかんじだね。

藤原 「LONDON CALLING」とかに入ってそうだね。

西垣 この間奏に入っている奇妙なノイズは、ネタは明かさないですけど、僕の手作りですよね。

藤原 うん、そうだね。

----ボーカルは何重にしているの

西垣 二重ですね。

藤原 この頃は、輪唱ではないですが、ちょっとだけ遅らせて違うことをしゃべらせる、というのがちょっとキテて、

西垣 他にもそういう曲がありましたが、ボツになりましたね。

藤原 まあこの曲でやっちゃってるからいいかな、と思って。

----さっきの映像の話で言うと、早送りの映像が合いそうだね。コマ落としで車が街中をガンガン走って、ときどきスローモーションになるような。

西垣 いいですね。ガーっと走っていって、最後は白いワンピースを着た女の人が家から出てきて、バーンとはねられて終わりとかどうですか。でもその娘は笑っているんですよ。

----いいね。「猫のように笑っている」んだ。

藤原 それはそれで素敵だね。

西垣 そう、「汚れた血」のラストの疾走シーンを思い浮かべてください。

----3人くらいで高速道路をずっと走っている。

西垣 あー、あそこもいいですね。ジュリエット・ビノシュがすごく白くて、「マルク!」とか言ったりしてね。顔に血をつけて。ハンスが上機嫌で「これシート替えたばかりなんだぜ」って。

藤原 アレックスがもう本当に死にそうな顔をしていてね。

西垣 「汚れた血」はいいですね。

----タングステン・ヒューズの音楽性とレオス・カラックスの作家性は似ているかもね。

西垣 僕がこの世で一番好きな映画監督です。10代のときに「汚れた血」を見て、すごく驚いたんですね。

藤原 ある意味一番多感な時期だよね。

西垣 本当に、今までもこれからも、一番好きな映画はあれ一本で、動くことはないと思っています。

----あれも閉じている感じだね。もっと周りと柔軟に接すればいいのに、かたくなになっちゃって。

西垣 何か痛々しいまでの自己愛ですよね。かわいそうな自分が一番好き的な。冒頭で自分の父親が殺されて、「とうとうみなし子さ」と言っているところが、何かうれしそうなんですよね。

----ああ、あるよねそういうの。


Track3「真空管」

藤原 これは最初歌を入れようと思って作った曲ですね。

----終わりのほうは出なくなっちゃうよね。

藤原 変化をつけようという曲はたいがい歌から入って、流れに引き込んでいくかんじで。

西垣 ゲストボーカルとして歌ってくれた有里湖さんは、このとき妊娠中でした。二人分の魂のこもった歌声です。

----立ちながら歌ってました?

西垣 座ってましたね。

藤原 結構でかかったな。いる!っていうのがわかったもん。

西垣 「あと一ヶ月」とか言ってましたよね。

----その子が生まれてきて、「この曲聴いたことある」とか言ったらおもしろいよね。

西垣 でもおなかの中で聴いているはずなので。もしかしたらその子供が一番最初に聴いた音楽になってるかも。だって、外から聞こえるものより、お母さんが歌っているものの方がぜったい聞こえるはずですよね。

藤原 それとか、十何年後とかにミュージシャン目指して、その子が曲作ろうとしたら、この曲とサビが一緒だったり。

西垣 その子が生まれる前に聞いた曲として、申し訳ないですけど、うれしいですね。

----「真空管」というのは、ラジオの真空管じゃなくて。

西垣 真空状態ということですね。あるレズビアンのカップルが付き合い始めて同棲する。初めのうちは幸福なんだけど、だんだん行き詰ってくる。そういう感じです。盛り上がったものが失速して、息が詰まって真空になっていく状態。そういうテーマです。


Track4「Y」

藤原 耳から離れない感じがするんだけど。

----「Y」というのは、POP GROUPの「最後の警告」ですか。

西垣 「Y」はダメなもの、負のものの総称ですね。

----「4」は全体的にノリのいい曲が多いね。まったりした曲がなくて、リズムに乗る感じの。その辺が今回の統一感なのかな、と思ったんだけど。

藤原 そういう受け取り方もありますか。

西垣 クラブに行くじゃないですか。フロアが盛り上がります。自分も酔っ払います。でもなんか寂しい気持ちになることってないですか。

----あるね。

西垣 そういう曲です。

----「Y」というのは、ヨッパライの「Y」ですか。

西垣 ちがいます。


◆恋人と部屋を真っ暗にして聞いてください

----今後の活動は

藤原 これから予定としては6月まで毎月ライブを行うというのは今決まっている予定ですね。それでその間に、ライブを通じて自分達を見つめなおして、何か新しい変化があるのではないかと、きっとあると思っているので

西垣 まあライブは楽しいですし

藤原 スタジオ入って、ライブをして、それを繰り返している自分達からまた新たな一面が発見できれば、と思っています。

----行動あるのみって感じですね

藤原 そうですね。ライブやって何かを感じるのは確かなので、自分の今まで作ってきた曲も見直したりできるし、今のところはライブをやりまくるので、見に来てください。

----「4」もいろんな人に聞いてもらえるといいですね。

西垣 「真夜中の公園で1人で聞いてください。タングステン・ヒューズ『4』」

----それがキャッチコピーなんだ。

西垣 もしくは、「恋人と部屋を真っ暗にして聞いてください。」

藤原 月の灯りだけでね。

(2004年12月14日 新宿にて。聞き手:知識)
| INTERVIEW | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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