ABOUT / CONTACT
PUREJAM
facebook
MENU
TOPICS
PROFILE
ARCHIVES
LINKS
RECENT COMMENTS
MOBILE
qrcode
RECOMMEND
RECOMMEND
auguries
auguries (JUGEMレビュー »)
the sleeping beauty
RECOMMEND
RECOMMEND
liv
liv (JUGEMレビュー »)
the sleeping beauty
RECOMMEND
OTHERS

PUREJAM.org

purejam makes you happy!
<< ゴダールのリビング 昼下がりのダンス / Feb.6th,2005 | main | 真夜中の公園で1人で聞いてください[タングステン・ヒューズ] >>
コラージュって「創作」なのに「破壊」も同時に起こるんです[Hashimoto Kazuyoshi]
コラージュアートを展示する橋本和芳のインタビューです


◆好きなもの

----好きな音楽やミュージシャンは?

橋本 キュアーとかマイ・ブラッディ・バレンタインとか。二ール・ヤングもすごい好きです。

----好きな楽器は?

橋本 やっぱりギターかな。ノイジーな感じの。あと、デジタルっぽいのも好きです。ナイン・インチ・ネイルズとか、わりと過激なやつが。

----好きな映画は?

橋本 映画はぜんぜん詳しくないので、特に好きな監督とかは、あげられないんですけど、以前見て衝撃だったのは、ルイス・ブリュエルの「アンダルシアの犬」。テレビで見て、ああこういうのもあるんだな、って。眼にカミソリを入れるシーンがすごく鮮烈だったし、何となくコラージュと通じるところがあるんですよね。映像でいろんなシーンがつながっていって。ストーリーを追うのが苦手なのでそういうところにひかれます。

----ドアを開けたら砂浜に出たりしてたよね。脈絡なく。

橋本 あと映画で印象的だったのは、スタン・ブラッケージという監督の「ラブソングス」。抽象画みたいなのが続いていて。音が無いから、眠くなりましたけど。

----好きな美術またはアーティストは?

橋本 ゲルハルト・リヒター、ジョセフ・コーネル、ヘンリー・ダーガー。それと最初に衝撃を受けたのは大竹伸朗さんです。スクラップブックをずっと作っている人なんですけど、それで僕もそういうのをやってみたいなと思いました。あとダン・エルドンという人のスクラップブックを洋書屋でたまたま購入して、それも同じように衝撃でした。自分もやってみたいな、って。僕がやるとぜんぜん違う感じになっちゃうんですけど。

----好きなデザイナーは?

橋本 レコードのジャケットが好きなんですけど、ヴォーン・オリバーという人が好きです。ピクシーズとかのジャケットを作っている人です。色合いがビビッドな感じが好きなんです。あと、書体がすごい昔の書体を使っていたり、そういうところが好きですね。あとは、ピーター・サヴィルっていう人。ジョイ・ディビジョンなんかのジャケットを作っていた人です。

----そういう人たちってジャケットデザイナー?

橋本 他にもいろいろやっているんでしょうけど、僕がいちばんピンとくるのは、CDとかのジャケットです。ファッションとかは疎いんですよ。

----音楽を聞くときはレコード、CD?

橋本 CDですね。ジャケットという点ではレコードのほうがいいんでしょうけど。

----好きな本は?

橋本 安倍公房が好きです。一番好きなのは「箱男」かな。読んでいると映像が自分の中に広がってきて、なんか映像的な感じがするんですよね。

----好きな場所は?

橋本 高いビルから地上を見下ろしたりするのは好きです。東京タワーみたいなところとか。

----写真は撮らないの?

橋本 自分では撮らないです。

----絵を描いたりは?

橋本 描くっていうか、色を塗ることはしますね。色鉛筆とか、クレヨンで。


◆作品とテクニック


----こういう作品はどういう風に作っているのかな。素材は雑誌から?

橋本 雑誌とかフライヤーとか、映画のチラシとかから取ってきます。実際の作業は、そういうのを何十枚も切って貼っていきます。最初に何かイメージが沸いて、それに合った素材をストックの中から選んできて切ります。最初に浮かぶイメージで一番強いのは色なので、その色を中心に切り取ってきて構成します。色は特に赤と青が好きですね。例えば赤がイメージされると、赤い部分をいろんなところから切り抜いてきます。でも作っているうちに最初のイメージと違ってきてしまうんですよね。でもまあその方がおもしろいし、スリルがあるんですよ。あまりイメージ通りのものができても、つまらないと思うので。

----作るのは、ノリとハサミで。

橋本 そうですね。本当に単純なアナログ作業で。たまに、自分で色を塗って素材にすることもありますけど。

----このホチキスに見えるのは本物?

橋本 そうです。本物のホチキスを作品に打っています。

----この作品に貼ってある白いテープも本物?

橋本 そうです。

----ホッチキスや、テープをはったり、ちょっとした文房具で細工をすることも、よくやるの?

橋本 触感がおもしろくなるので、たまにやりますね。

----この竹細工みたいなのすごいね。これって実際の現物も編んでつくったの?

橋本 そうです。これは糊で貼ってないんですよね。サイドをテープでとめて、あとは編んでいます。

----へえー、すごいね。立体感があるね。

橋本 この色鉛筆のところって、直接塗っているんじゃなくて、いったん削って、その削りカスを撒いているんですよ。ガムテープの裏側に撒くと付着するので、そこにカッターでこすりつけてるんです。一回粉にしてからの方が意外なものができるんです。色彩も深くなるし。

----よくそんなやりかた思いついたね

橋本 削るのかなり大変なんですけどね(笑)

----でも何ともいえない、フィルターがかかったかんじがする

橋本 茶色っぽいところは、ガムテープを一回貼って、それをわざと汚い感じにはがして、茶色いところが残るようにしているんですよ。ちょっとざらざらした感触のものがやりたかったんですよね。このころは。

----一個作るのにかかる時間は何時間くらい?

橋本 ものによりますけど、5,6時間かな。1日経っちゃうと、また不満が出てきて、あらためて手を加えたりもしますけど。

----目が多いね

橋本 そうなんですよ。よく言われます。目と手が多いんですよ。何か目が入っていると、生きている感じになるというか。

----なんか向こう側にいる感じはするよね。どきっとする。

橋本 何かインパクトがあるものがほしいと、目か手になることが多いです。

----たしかにインパクトはある。こわいね。全体的にこわいんだけど、直接的にこわいものは無いんだよね。ホラーやスプラッターの恐さじゃなくて、サイコのようにどこか心の奥底を不安にさせられる感じがする。

橋本 恐がらせようという意図はないんですけどね。

----さっき言っていた、目や手を使ってインパクトを与えたいとか、印象的な色を使って刺激されるのが、不安な部分なのかな。作っているときに、こんなふうに見てもらいたいな、とか作成の意図のようなものはありますか。

橋本 それはないです。見る人をまったく意識してないとは言い切れないけど、でも意図はないですね。

----何か隠れている感じがするよね。どれを見ても。何かがこのへんにいるんじゃないかとか、向こう側にいるんじゃないかとか。コラージュが重層的だからかもしれないけど。

橋本 目があるのも影響しているかもしれないですね。閉じている目も使ってみたんですけど、開いているほうがやっぱりこわいかな。

----閉じてても、より意味深な感じがするけどね。モチベーションとしては、自分の中のイメージをできるだけ忠実に再現したい、と。

橋本 そうです。忠実にやろうとするんだけど、やっているうちに何かズレちゃう、そのズレがおもしろいと思うんです。

----その一連の過程が楽しくて、たくさん作っちゃうかんじなんだ?

橋本 そうですね。過程はやっぱり重要ですよね。

----こういう風に、何個か見ていると、共通点や傾向があるよね。文字があって、肌があって。

橋本 ある部分を極端に拡大したものがすごい好きです。自分が小人になったような感覚かな。例えばこれのもとになっていたチラシは、ぜんぜん普通に人物の顔がふたつある写真だったんですけど。ぱっと見た感じは何の興味もわかないようなチラシでもすごくよく見ていると、本当に小さいんだけど、この部分を切り取るといいなあ、というところがあるんですよ。

----外国の雑誌とかって、突然こういうページがあるよね。イメージ広告なのかよくわからないけど、イメージがバーンと出ているページが。作品をウェブで公開していると、たまに反応はくる?

橋本 たまにありますよ。

----アート系の雑誌とかに取り上げられてもいいと思うけど。何かに使われたことはあるのかな。広告とかで。

橋本 一回CDのジャケットを作りました。知り合いのバンドなんですけど。

----デザインの勉強はしてたの?

橋本 全然してないです。

----こういうのは何歳くらいから作り始めたの?

橋本 コラージュは二十歳くらいかな。5年前くらいですね。コラージュの前はイラストとか描いていたんですけど、描くのは僕にとってはすごくエネルギーが必要で、コラージュの方がとっつきやすかったんですよね。切って貼っていくだけで、わりと誰でもできるできるから。

----誰でもできるかもしれないけど、人の目に止まるのを作れるのと作れないのは差があるよね。僕は文字が好きだから、こういう文字を使っているタイポグラフィー的な作品にひかれるけど。

橋本 でも文字を使うと下手するとすごく意味を発しちゃうので、バラバラにして貼ってます。

----これこわいね。

橋本 これ作ってたときは、自分でも恐くなりすぎかな、と思って。それで猫を入れたんですよ。こわいだけ、とかかわいいだけ、というのは嫌いで。バランスがとりたいのかな。

----広がりが出るよね。違う要素が同居すると。


◆ライブラリー


----発表の場としては、そのアートスペースでやっている「ライブラリー」という展示と、本を書店に置いてもらうのと、ホームページと。

橋本 それくらいですね、公募展はいくつか出してましたけど。個展は今回がはじめてです。本で出すのにこだわりがあるんです。公募展とか展覧会だと、場所も時間も限定されますけど、本だとずっといろんなところに置いておけるし、持ち運びもできるし、単純に、めくっていくと、おもしろいな、と自分でも思いますし。

----いつかはこれが写真集になったりしたらおもしろいね。でも、こういうのって、上製本で仰々しく見るより、雑誌を何気なくぱらぱらと見ているときに、ぱっと入ってくるとよりショッキングさが際立っておもしろい気がする。ベネトンの「カラー」っていう雑誌も、こういうちょっとインパクトのあるのが次々に出てた。

橋本 ライブラリーの前は、ふつうにめくっていく作品集をひとりで作っていたんですけど、ライブラリーがきっかけで、こういう変わった形のを作ってみました([Night&Fog](2004)、[Strange Accordion] (2003))。ライブラリーは毎年6月ごろ、アートスペースさんが主催でやっていて、京都にも巡回するんです。それに2回出品しました。

----「Night&Fog」(*ブック形式のアルバム)には作品の合間に詩がのっているけれど、この詩は、絵に対してつけているのかな?

橋本 これは、自分が見た夢の記憶を書いたものです。単純に記憶を書いただけなんですよ。自分から文章を書くのが苦手なんですけど、何か欲しいな、と思って、この作品ではじめて文章を入れました。一応全部「夢」というテーマにしたので、夢の記憶を。

----朝起きて走り書きしたりして?

橋本 いえ、これはすごく前に見た夢なんですよ。だから強烈に覚えているものだけを描きました。しょっちゅうこんな夢を見るというわけではないんです。なんとなく映像的な印象がある夢を集めました。

----こういうのを作るときって、自分なりにお題を出して作るの? 夢をテーマにするぞ、とか、今月は一冊つくるぞ、とか。

橋本 この本(Night&Fog)に関してはそうでしたが、日頃からわりと気が向く時に作っていますね。

----「Strange Accordion」は、この、ぱたぱためくっていく感じがカルタみたいだね。百人一首とか。これは一部を拡大したものなの?

橋本 そうです。もとの作品の一部をカラーコピーして切り取ったものです。この本はコラージュをさらにコラージュした感覚。原画はもっと大きいものもあります。

----こういうのを作るときに何かテーマはあるのかな。

橋本 [Strange Accordion]は過去5年間を振り返りたかったから、古いのも入れたりとか、本全体に流れを持たせよう、というのは意識しましたね。ちょっと映像的なものを本でやってみたかったんです。

----「アンダルシアの犬」も、身体の一部がすごいクローズアップされるよね。目とか耳とか。

橋本 そうですよね。それからマックス・エルンストという人が作った本で、「百頭女」というのがあるんだけど、それも1ページ1ページ、コラージュと短い文があって。そういうのを見ているとわくわくします。

----この形にしよう、というのはどこから生まれてきたの。とてもユニークでおもしろいけれど。

橋本 この正方形は、レコードのジャケットからインスピレーションがあったんですよ。蛇腹式にしたのは、ちょっと変わった本にしたくて、流れを持たせたかったから。あと、普通に綴じてめくる感じにしようとすると、技術的にうまく作れないんですよ(笑)。これが一番めくりやすいかたちというか、その場の流れでできちゃったんです。サイドAとサイドBっていうのもレコードのA面B面みたいな感じです。ケースが箱になっていますが、箱という形も好きです。ジョセフ・コーネルっていう人が箱の作品をたくさん作ってるんですけど、すごく好きです。なんか箱になっているとわくわくするんです。

----この箱も開けてみると絵があったりして、素敵なハコですね。さわってて楽しいね。さわってておもしろいっていうのいいよね。見てておもしろいだけじゃなくて。

橋本 これ以前の作品集は普通に綴じてある本で、内容も絵の全体が見えるようになっているのですが、今は、あまりそういう普通の本に興味がなくなってきてて。絵の全体を入れるより一部を見せたりとか、変わった形をした本に興味があります。

----ふちや枠が無いと広がりがあってかっこいいね。

橋本 よく美術書を見ると、ふちがあって、作品があって、というポートフォリオのような形式のものが多いですけど、そういうのってあんまり買う気がしなくて。もっと本自体が作品になっているようなのだと欲しくなるんですよ。

----そうだね、動きがあるよね。外の世界とつながるというか。


◆作品の流れ


----作品は今まで何個くらい作ったの?

橋本 数えたことないですけど、100個くらいかな。わからないですけど。本当はもっと多作になりたいんですけど、ペースが遅くて。

----そうして作り続けてきて、自分なりに心の変化はあるのかな。はじめたころと今とでは、違ってくるものがあるのかな。

橋本 はじめはもっと混沌としていたけど、だんだんまとまってきて、最近はちょっとまとまりすぎちゃったかな、と自分で思うんですよ。まとめる癖がついちゃったというか。

----この手法が板についてきた証拠なのかな。もっと崩したい感じ?

橋本 それもありますね。でも、意図的に崩すのも嫌なんです。

----こうやって見ていくと、最近の女の人のシルエットの作品はガラっと変わった感じがするね。すごくさわやかで外に広がる感じがする。

橋本 仲が良い人から、ファッション雑誌をもらったんです。今までファッション雑誌は使ったことなかったのですが、それがきっかけでシルエットみたいなのを作るようになりました。

----ふつうの雑誌には、こういう最近のトーンが似合う感じがする。昔のはかなり混沌としていてぎょっとするね。何かうごめいてるかんじがする。

橋本 最初に買ったダン・エルドンの作品集も1ページ1ページぽんぽんと絵が置いてあるのではなくて、開くとバーっと全面にノートそのものを再現しているような感じなんですよ。そういうのはめくっていて楽しいですよね、単純に。そのころ美術本とか買ったことが無かったので、ずいぶん高いものを買っちゃったっていう気がしたなぁ。

----アニメーションとか動画とか、足や手が動いたらいいなとは思わない?

橋本 手や足よりも、むしろバックの抽象的なものが映像になったらおもしろいかな。

----映像がコラージュになっているとおもしろいかもね。いろんな映像の断片が無秩序に動いていったり、風景が切り替わっていくとおもしろいかも。


◆カタルシス


----こういうのを作ることによって、何かのカタルシスが生まれたりするかな

橋本 それはすごくありますね。やっぱり作ると気持ちがよくなるというか、作っていない期間が長くなると調子が悪くなるんですよ。最初の頃はなんかすごい混沌としてましたけど。まあその頃はその分、心が荒れていたというか。すごい吐き出したかったんですよね。通っていた学校に行かなくなっちゃって、全然することがない状態で。どこかに行くのも恐いような時期だったんです。そういう背景もあるんですけど、そんなときに何か作りたいな、と思って。自分のために作っていたんです。ぜんぜん人に見せようとか思わずに。そういうのを作り続けていたら浄化作用みたいなものに気づいて、作り出したら止まらなくなって。

----今や生活の一部みたいな感じなのかな。

橋本 そこまで言えるほどじゃないんですけど。そのくらいになりたいですね。でも作り続けていないと、自分を保てないという点では、食べることとか寝ることとかと似ているかもしれない。

----そういう夢中になれるものがあるのって大切だよね。人によっては、会社で仕事を続けることが心の支えになる人もいるんだろうし。釣りをするのがそういう人もいるだろうしそれをせっかくこれだけ作品ができているんだから、いろんな人の目に触れたり、何かの素材に使われたりするとおもしろいだろうね。やっぱりレコードのジャケットが似合う気がする。

橋本 コラージュって「創作」なのに「破壊」も同時に起こるんです。コラージュに限らないかもしれないけど。既製品をはさみで切ったり破いたりして、それで再構築するという二つの要素が、気持ちがすっきりするポイントなんです、僕の場合は。一から真っ白な紙に何か描けといわれても、なかなか描けないんですよ。「破壊」の要素がすごい重要なんです。

----なんかもやもやしたものがあって、それを乗り越えるのが、そういう既存のものを見直して、今をよりよい状態に作り直すっていうのと重ねられるのかな。

橋本 そうかもしれないですね。

----こういうのを作るときにアンチテーゼみたいなものはあるのかな。何か既存の風潮に対抗する意識とか。

橋本 あまりそういうのはないですね。

----むしろ純粋な気持ちの流れるままというかんじなんだ

橋本 あまり意味を持たせたくないですし。まあ見る人が勝手に意味づけしてくれるのはぜんぜん構わないですけどね。自分の主張って作品の中にはあんまりないです。

----そこが不安な原因なのかもしれないね。ぱっと見て、これはどうせあれでしょ、みたいなのが無くて、「なんだろう、これは?」というのが不安をかきたてるものなのかもしれない。その人がもともと持ってる枠組みの中にすぽっとはまっちゃうと、それで流れちゃうから、どうせこれってそういうもんでしょ、と片付けられちゃうとつまらないけど、そういうので片付けられない雰囲気があると思う。それはタングステン・ヒューズの音楽にも通じるかも。分類したくてもできない感じ。

橋本 最近ちょっと動きが感じられるものに気持ちが行っているかもしれないです。一時期、すごい静かな動きがないやつばっかり作っていた時期があったけど、また最近動きがある感じになってきましたね。サイトで言うと、1期や2期のころは混沌としていたのですが、3期のころから静かなトーンになりました。

----そうね。急におとなしくなったね。


◆時代の流れ


----作品作りを通してアピールしたいことってあるのかな。

橋本 うーん、そういうもないですね、はっきり言って。まあ多くの人に見てもらえたらそれはうれしいんだけど。

----ベックとか、サンプリングで切り貼りで集めた感じと似てるかもね。ベックのジャケットも、いろんなものを切り貼りしたやつじゃない。ああいうのに通じるものがあるかもね。コーネリアスの「69/96」もコラージュだらけだよね。

橋本 「オディレイ」はよく聞いてました。ベックとコーネリアスは似てますよね。でも最近のコーネリアスは、音に隙間があるというか。

----最近のコーネリアスはどんどんシンプルになっていくよね。橋本くんの作品もこれからシンプルになっていくのかな。

橋本 そうそう(笑)、僕は余白が苦手です。余白が残せないんですよ。すごい隅々までいろんなものをはっちゃって、そういうのが多いんです。でも最近はちょっと空間を残せるような感じになってきました。ベックやコーネリアスの動きとか、そういう影響があるのかなぁ。あまり詰め込みすぎるとダメなときってあるんですよ。

----引き算の美学みたいなのもあるかもね。とりあえず詰め込んでから引いていくところでかっこ良さが浮き彫りされたり密度が濃くなったりするのはあるかも。コーネリアスなんか最近はシンプルだけど、一個一個のパーツはとても奇妙なことをやっているじゃない。

橋本 そうそう、シンプルになってもすごく奥深いんですよね。ベックも最近はそんな感じです。

----そういうのってあるんだろうね。時代背景とか。何に左右されてそういううねりが出るのかよくわからないけど、そうういう世界各地のいろんなアーティストが感じる共通の意識みたいなのってあるんだろうね。どうやってそういうのが出てくるのかって不思議だよね。国際情勢とか、社会情勢とか、いろんなものがからんでいるんだろうけど。

----今後は作品をどういう方向にもっていきたいと思っていますか。

橋本 あまりそういうことは考えないんですけど、最近まとめすぎる傾向があるので、製作過程をもっと楽しめる方向にもっていきたいですね。今でも楽しんではいるんですけど、ちょっと遊び心が不足しているから。

----いま楽しめていない要素っていうのは。

橋本 なんだろう。「まあ、これでもいいか」とか、「これもありだよな」とかいう偶然の感覚がもっとあるといいのかもしれない。やっぱりまずは自分自身が楽しめて、かつ誰かとのコミュニケーションにもなる作品が理想的です。

----今回のイベントがまたひとつのコミュニケーションの場になれば、という感じですね。

(2004年12月19日 目黒ウエストにて。聞き手:知識)

| INTERVIEW | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









http://blog.purejam.org/trackback/803780