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<< ゴ ダ ー ル の リ ビ ン グ / Jul.3rd.2004  | main | 9/5 ワルプルギスの黄昏 >>
思いつくままにしゃべり続けろ [タングステン・ヒューズ]
今回のイベントのメイン・アクト「タングステン・ヒューズ」に怒涛の1万字インタビュー。
◆何かおもしろいことをやってみましょう

----二人の出会いは、どんな感じだったんですか?

西垣 学生が終わってから初めて就職した会社で入社日が一緒だったんです。そのとき採用されたのが二人だけで、二人一緒に入って、まあ、結果的には一緒の日に辞めたんですけど。

----同期って二人だけなの?

西垣 二人だけです。映像や音楽を扱う小さい会社で、新卒を採るっていうより、それなりのスキルのある人を採るところで。藤原くんは音楽の専門学校に行っていたし、僕は一応映像の学校に行って卒業していたので、ちょっとかじっていることもあって、縁があったんですね。

藤原 そこで、同じものを見て、聞いて、

----はじめて会ったときから、こいつには通じるものがある、とか思いました?

西垣 とりあえず、洋服の感じが似てるなっていうのはありましたね。

藤原 服の話は合いましたね。やたらと。

西垣 初対面の時も同じような格好してたし、セルの黒ぶちメガネかけてて、ジーンズにジャケットっていうスタイルが非常に似ていました。で、まあ、会社が基本的におもしろくなくなっちゃって。仕事が本当に下請けみたいな仕事しかしない会社だったので、このままじゃいかんな、と。

藤原 一念発起して。

西垣 ちょうど会って1年くらいしてから、「何かおもしろいことをやってみましょう」って僕からお誘いしまして。

藤原 でも初めは何をすればいいかわからなくて、最初はVJ・・・映像と音楽を合わせた何かをやろうかと。

西垣 そう、最初は藤原くんが曲を作って、それに僕が映像をつけて、そういう二人組でやっていこうっていう話だったんですけど。

藤原 で、ある日、春くらいに西垣くんが、「三島由紀夫を朗読するから、そのバックに曲をつけて」って言ってきて。

西垣 三島由紀夫が切腹する直前に、読んだ檄文をですね、僕が絶叫するので、そこに曲をつけて、一曲おもしろい曲を作ろうかなんてことを私が申しまして。で、結局そのまま話が変わっていって、三島由紀夫の演説ではなくて、結局僕が適当に思いついたことをしゃべって、それに曲を合わせるっていうことになりまして。で、「切腹女子高生」っていう曲を最初に録ったんです。それは今とは全然違いますよね。

藤原 全然違うね。もっととげとげしい。

西垣 ジャズでしたよね。基本的には、ジャズに合わせて僕がぼそぼそしゃべる感じで。それを録って、絶叫して、それがおもしろかったので、どんどん録っていこう、と。

藤原 で、俺もトラックを普通の曲っぽく。展開も普通のロックではないけれど、曲っぽい感じにしていきました。

西垣 そのあとしばらくしてから、「東京パルチザン」という曲ができて、パルチザンてゲリラのことなんですよ。音楽ゲリラ。東京で音楽を使ってゲリラ的な活動を行い、あなたの隣にも過激派がひそんでいますよ的な感じで曲を作って。それが今みたいな感じで、旋律に乗っけて言葉をまくしたてるようなスタイルができて。そのあとすごいペースで作りましたよね、曲は。

藤原 去年(2003年)の秋くらいは、すごい曲を作りまくっていて。

西垣 結局、秋に、会社の方を二人して同じ日に辞めまして。で、そのあとはスタジオに入り浸って、月に2曲くらいのペースで曲を作って、その中から6曲選んで作ったのが、今回の「SilenceBass」なんですけど。

藤原 まあ半年間でできたものですね。秋から冬にかけて。

----曲を作る時はだいたい藤原くんが中心ですか。

藤原 僕が家でMTRをずっと流しっぱなしにして、ギターとか弾いて、めぼしいところだけ切ったりしてデモを作ります。それを持って1回喫茶店でミーティングして西垣くんに聞かせて、それ聞いて西垣くんが歌詞をあてはめて作ってくると。そのスタイルは今でもやっているものです。最近またちょっと変化が現れてきたんですけど。

西垣 トラックをもらって、考えて、僕が書いてって、翌週に録る、と。そういう感じです。

----西垣くんは楽器はやらないの?

西垣 やらないですね。歌うのと詩をつけるのだけです。

藤原 そこは完全に分業していて。

----でもパートたくさんあるじゃない、ベースとドラムとキーボードと。全部1人でやってるんだ?

藤原 全部やってます。最初、ドラムトラックを作って、それに合わせてベースを弾いて、ベースがだいたいできたな、と思ったらギターをかぶせて、キーボードとかそういうのは、声を入れたあとに入れて、西垣くんを驚かせる、と(笑)。これはナシかな、と言われたら、まあ消すけど。

西垣 まあ、曲自体ボツになったのは何曲かあるんですけど。しっかり歌詞書いて、しっかり録って、しっかり作り上げたんだけど、二人して、これはナシだろう、ていう曲はいくつかありましたね。

藤原 数曲ありますね。

西垣 最近も一曲ありましたね。大作が。

藤原 もったいなかったね(笑)

----今までボツになったのも含めて何曲くらい作ったの? 

藤原 20くらいですかね。およそ1年間のなかで。

西垣 私は藤原くんのファンなので、新曲のトラックをもらうのをいつも楽しみにしているので。

----そういうのが毎週あると、連載小説でも書いている気分になりそうだね。

藤原 まあそんな感じかもしれないですね。言われてみるとたしかに。

西垣 とりあえず何かやっていたいからやっているって感じですね。

藤原 何か作り出している、吐き出しているって感じが。

西垣 まあ、一番は、誰かに聞いて欲しいからやってるっていうよりは、曲を作るのがおもしろいからやってるっていう感じですよね。

----ものづくりからくる充実感とか。

藤原 まあ、感情の吐露ですね。西垣くんの場合とかも。

西垣 でもこれやってなかったら、今何やってるかなって思うと、まだ始めて1年ちょいですけど、生活の中心にはなってますよね、一応。

藤原 かなりなってます。

西垣 一番の趣味ですよね。一番楽しいことですね。

藤原 一日のうち考え事をすると言ったら、このことが多いですね。

----それは天職なのかもね

西垣 まあでも、これで食えてないから(笑)。

藤原 駆け出しもいいとこだし(笑)

----西垣くんは、詩を書いてるってことで、好きな文筆家というと。

西垣 さっきも出ましたが、三島由紀夫は好きです。あと、一番影響を受けているのは、萩原朔太郎っていう詩人が本当に好きです。詩集をいつも読んでいて、暗記するくらい読んでいて、やっぱり他の詩人の人と比べても、ダントツで好きです。寺山修司の詩集も好きですね。「田園に死す」の詩集とか好きですね。

----音楽的にも、志向があって、藤原くんに突っ込みを入れたりするの?

西垣 基本的には、完全分業なのであまり言わないですね。たとえば詩のことを藤原くんが言い出したらキリがないし。言ったこともないし。たとえば曲をもらって、ここをこうしたらいいんじゃないかなっていう意見は言いますけど、それが採用になればいいし、採用にならなくても、別にいいし。

----リーダーはどっちなの?

西垣 藤原くんですね。

藤原 スタジオの予約したりとかは僕ですね。

西垣 そういうことじゃなくて、精神的なことでしょ(笑)。まあ僕は音楽の勉強をしたこともないし、バンドをやったこともないので。

----藤原くんは前にバンドをやっていたの?

藤原 大学のときサークルでやってました。大学にいるときに、PAとかやったりして、おもしろいな、と思って、音も録ってみたいな、と思ったので、大学卒業してから、音楽の専門学校に行きました。主に、デジタルの基礎から、レコーディングのことについてですね。ミキシングの技術とかは習わなかったけど、まあそこでも楽しかったですね。勉強しながらだけど、普通に遊んで、バンドもいくつかやって。大学のときはメタラーだったんですけど。とにかくギターを上手く弾きたかったから、メタルとかすごい速くギターを弾くから、そういうのができたら、何でもできるのかな、と思って。それはそれで楽しかったんですけどね(笑)。

西垣 でも今はメタルの色が無いですよね、全然。

藤原 だって、作るものが違うじゃん。

----メタルはギター弾くと誰もが一度は通る道だよね。

藤原 そうですね。単純で大味でわかりやすいんで、聞いててコピーもしやすいし。

西垣 男の子はロックを聴き始めると、パンクかメタルかどっちかでピークを迎えて、その後聞かなくなっちゃいますよね。

藤原 元に戻っていくというか、シンプルになっていったり、ものすごい変な音楽を聞くようになったり、そういう感じですよね。

----音楽的なルーツっていうと?

西垣 音の面でどうこうじゃなくて、姿勢で影響を受けているのは、ポップ・グループというバンドがいて、79年・・・70年代終わりにデビューした人たちなんですけど。僕はすごい好きで、藤原くんに聞いてもらったら、藤原くんも気に入って、それがパンクとファンクと民俗音楽とプログレすべて集めたような。その人たちも何か新しいことをやろうと言って、まあ短命なバンドだったんですけど。今日もCD持ってきたんですけど。

----何曲目がいい?

藤原 1曲目ですね。やっぱり 

西垣 この姿勢は非常に共感してます。

<再生中>ポップ・グループ 「シー・イズ・ビヨンド・グッド・アンド・イーヴィル」(「 Y(最後の警告)」より)

藤原 こういう奥まった感じの曲いいですね。

----なんか箱の中みたいですね。

西垣 展開は強引ですね。「西洋の価値観は彼女には通用しない」とか歌っているんですよ。ギターが絡んで、刃物みたいな打撃音がするところはタングステンにやや近いですね。

藤原 これは結構影響を受けた感じですね。

西垣 タングステンは、叫んだり、大声を出したりすることはないです。わかりやすく攻撃的とか、高揚感があるとか、踊れるとか、そういうものではないですね。内側に内側に向かう感じですよね。どちらかというと、静かな。

藤原 静かなる衝動ではないですけど。

----ちょっと「SilenceBass」を聞いてみますか。


◆SilenceBass全曲解説

<再生中>Track1 another girl

----ホラー映画みたいですね。ワーっと怪物が出てきたような。

藤原 ハッとさせたかったんですよね。今年(2004年)の初めに作ったやつなんですけど。この女の子のボーカルも反復しているんですけど、主にこのバンドは反復が多いですね。とにかく反復すると。

西垣 同じ言葉を呪文のように繰り返し続けることで、高揚してくる感じってあるじゃないですか。ある種のミニマルテクノのような。それを途中から目指すようになりましたね。

藤原 この曲のスネアも結構打撃音が気に入ってるんだけど。

西垣 聞き終わった後に、こんな曲だった、と、鼻歌で歌えるような曲は無いんですけど、あの、1個の言葉とか、1個の旋律とかが、聞き終わった後に、耳に何か1個残ればいいな、と思っています。

藤原 ハッとする言葉があればいいな、と。

西垣 あのトラックに、あの声が乗るのは非常に違和感があるじゃないですか。で、違和感て普通と違うから、残ったりするじゃないですか。だからそうなればいいな、と思いますね。

----ニュースキャスターがしゃべってるみたいだよね。

藤原 ソウルセットに影響を受けてるよね。

西垣 10代のときに、ソウルセットと、フィッシュマンズに出会いまして、非常にその二つのバンドには、影響を受けてる。ソウルセットのビッケのボーカルには、近いかもしれない。

<再生中>Tokyo No.1 Soul Set「JIVE MY REVOLVER」(「TRIPLE BARREL」より)

藤原 これたまにスタジオでやるよね(笑)。

西垣 ヒマな時に、藤原くんがギター弾いて僕が歌って、誰にも見せないカバー曲ですよ(笑)

----あー、なるほど、こういう感じね。これを聞くと、こういう曲ってそういえばこういうスタイルってあるなあ、という気もしてくる。

西垣 ソウルセットはとても気持ちよく踊れる感じですよね。クラブ出身の方々みたいなので。タングステンでは、歌と曲ががいい感じにからむ曲を作りたいな、と。

藤原 最近ちょっとまた転換期に来ている感じですけど。

<再生中>Track2 水媒花

----なんか大正時代のホールにいそうな感じだよね。江戸川乱歩の小説に出てきそうな。

藤原 日本的ですね(笑)。

西垣 大正エログロナンセンスとかすごい好きで、竹久夢二とか。水媒花って、花粉が水に流れて受粉する花で、水を媒体に受粉していく花で、そういうイメージですね。

藤原 ふわふわした感じですね。この、女性ボーカルから男性ボーカルに転換する時のダイナミズムは気に入ってますね。

西垣 SilenceBassのときは、大学の時の友達にコーラスをお願いしたんですけど。女の子は演劇をやっている人で。大学の時、僕が自主映画を撮っていたときに、役者さんをやってもらったりしていて、その流れで参加してもらったんですけど、最近普通にデビューが決まったみたいで、ちょっともう忙しくてこういうのに参加できないみたいです。そんなわけで、現在女性ボーカリスト募集中です。tungstenfuse@yahoo.co.jpまでメールください。もしくは僕に直接話しかけてください。

<再生中>Track3 刹那 回転 残響音

藤原 これは、会社辞めてから一発目に作った曲ですね(笑)。

西垣 これができてからガラっと変わりましたよね。その、「東京パルチザン」ていう曲で、何となく今の感じができて。その後できたこの曲で、すっかり固まったって感じですね。

藤原 嵐のように語りつくすという。

西垣 そうですね、これは歌詞もすごいボリュームですね。

藤原 トラック自体は、本当にずっと反復している感じですね。

----歌詞を考える時は、どんなことを考えながら書いているの?

西垣 基本的には、映画の雰囲気から取るとこが多いんですけど、絵が浮かぶような。聞いた人に浮かんでほしいってわけじゃなくて、ただ、僕が自己満足的に。日記みたいなものですよね、その時思い浮かんだことを書きとめておく感じで。この曲は特に、塩田明彦監督の「害虫」っていう映画があって、それを見ながら書きました。あの映画は何か、隙間が多い映画っていうか、話がめまぐるしく進んでいくような映画ではないじゃないですか。淡々としたシーンで、別のことを考える余裕がありますよね。そのときに、ボヤーっと浮かんだことを書き留めて、そんな感じになったんです。基本的に歌詞はみんな、じゃがたらっていうバンドがいて、それの江戸アケミさんていう人の歌詞に「思いつくままにしゃべり続けろ」っていう歌詞があって、それを僕も藤原くんも非常に気に入っていて、常にそれがあった。「思いつくままに踊り続けろ」とか、そういうことをずっと言っているんですけど。だから、思いつくままにしゃべり続けないといけない(笑)

----聞いてみようか。

<再生中>じゃがたら 「でも・デモ・DEMO」(「南蛮渡来」より)

----すごい楽しそう(笑)

西垣 何か曲が始まって、どんどん混沌を極めていって、最後はメチャクチャになる感じは、影響を受けてますよね。どんどん高揚していって、いろいろ重なってきて。

<再生中>Track4 バタフライ・ナイフ

藤原 これももうずっとサンプリングしたコーラスをループしていて。最後までずっと続いているんですよ。トラックに隠れてわからないけど。

西垣 あ、そうなんだ。

----このすごくたくさんコーラスが無差別に重なり合うところが気持ち悪いね。

西垣 気持ち悪い。

藤原 西垣くんが、結構、そうするといいんじゃない?って感じで言ってきて。

西垣 なんか、これは、刹那回転の次に作って。

藤原 この2曲は、結構トラックも作った路線は延長線上にあるんですよね。

西垣 ただ、書くときに、刹那回転が、ひたすらしゃべるかんじだったんで。ちょっとそれはいやだな、と思って、サビとそれ以外みたいな感じにしようと思って、で、サビ以外のところの声をたくさん重ねる感じで、同じことを繰り返していって、ほとんど聞き取れないと思うんですけど。4つくらいの言葉を言い続けているだけで、まあちょっと、刹那回転とバタフライ・ナイフで違う感じにしたいと思ったんですよね。このベースラインがすごく好きなんですよね。

藤原 最初に言ってたよね。

西垣 最初に、デモを作ったときは、もっとベースラインだけがでかくて突出していて、すごく気に入ってたんです。こっちもこっちでいいんですけどね。

<再生中>Track5 Silence Bass

藤原 適当にベースを弾いていたら、できちゃった曲。

西垣 他のと比べると、変わってますよね。はじめてメロディみたいなのに乗っけて。

藤原 ベースは完全にメロディ持っているし。

西垣 これはでも、曲も詩も全然似てないんですけど、僕の中では、これはフィッシュマンズの「ウォーキング・イン・ザ・リズム」という曲のタングステン版だと勝手に思っているんですけど。その曲も、最後に「ウォーキング・イン・ザ・リズム」というフレーズを繰り返して、そこがすごく気持ちよかったので、そういう感じにしたいな、と思って、こういう感じにしてみたんですけど。でも、最初デモ作って、女性の声が加わって、ぐっとよくなりましたよね。

藤原 うん、やっぱり色は出るよね。

西垣 こういう具合の曲はその後無いですね。

藤原 そうだね。

西垣 また作りましょう。

----耳に残るよね。

藤原 催眠効果みたいなものを入れたかったかもしれない。

西垣 何回SilenceBassって言っているんだか数えたら大変な数ですよ。100回は言っているんじゃないですかね。

<再生中>Track6 tablet drug

西垣 この曲は、不思議と好評なんですよね。CD渡した友達から、DJに使ってもいいか、と何度となく言われて、クラブに合う感じなんですかね。でも、こういう方向にはもう行かないですね。


◆感覚を主張したい

----タングステン・ヒューズとして、世の中に訴えたいことはありますか。

西垣 以前、向井秀徳が「感覚を主張したい」と言っていたんですけど、まさにその通りですね。特にメッセージ性とかはなくて。最初はその、切腹だとか、ハラキリズムっていう曲もあって、ちょっとそういう政治的な臭いがあったのですが。まあ全部ポーズなんですけど、全然僕らは右の人ではないので(笑)。ただ、いわゆるあるようなみんなの応援ソングだったり、忌野清志郎さんのような、政治的なメッセージが強いものでもなくて。まあ、十分満足ですよね。基本的には。

藤原 まあそうですね。何やってもいいっていうのはまだあるし。

----そういう、感覚の主張って、やっぱり既存には無いものだからあえて主張するものなのかな。すでにある音楽とかで、十分足りていれば、自分達でわざわざ作る必要はなくて、いろいろ聞いたことはあるんだけど、そうじゃなくて、もうちょっとこんな感じが気持ちいいんじゃない?って感じで作ったりするのかなあ、って思うんだけど、どうかな。

藤原 感覚的に気持ちいいな、と思えるものをそのときそのときで作ってますね。なんだろ、良い物を作っている時って身体が熱くなるんだよね。それを楽しんでいるのは、結構あるかもしれない。

西垣 特にやるにあたって、えらそうなものは無いですね。本当に、楽しいからやるっていうことに尽きますね。だから本当にこれが、サーフィン好きだから、毎週末海に行く人と同じじゃないですかね。基本的には、僕らはサーフィンはやらないので、二人でスタジオ行きますよって感じじゃないですかね。

藤原 そうですね。そんなに肩に力を入れてやってるわけじゃないんで(笑)

西垣 時代を変えてやるとか、音楽シーンに衝撃を与えてやるとか、人に評価されたいとか、有名になりたいとか、そういうことじゃないですね。サーフィンやってる人で、プロのサーファーになって、大会で優勝したいって思っている人はいないじゃないですか。

藤原 一部いるかもしれないけど。

西垣 まあ、一部いるかもしれないですけど。僕の友達でサーフィンやってる人はそんなこと思ってないみたいなんで(笑)。

----気持ちいいからやってる、と。

西垣 まあそうですね。あと、何かやってないと、焦りがあるじゃないですか。何もしないで会社だけ行って、歳とっちゃうのもつまらないなあ、と。せっかく音楽聞いたりするのが好きだったら、やってみよう、って感じですね。

藤原 それが今はたまたま音楽ということですね。

----今まで蓄積してきたものに基づいたステップアップを経て、自分の中でストーリーが作られる感じかな。

西垣 何もしないで止まっている、何もしない状態が嫌ですよね。前の会社で、そこは下請けの会社だったので、本当にできあがったものを、右から左に移すだけのような会社でしてね。で、そこで、何も作っていない感じがして。そういうことも必要だし、そういう人がいなきゃ世の中が回らないので、なきゃいけない仕事ではあるし、それなりのスキルも必要な仕事ではあったんですけど、どうせなら何かつくろうよ、っていうことで始めたんですよね。

----ライブをこれからもやっていきたい気持ちはあるのかな。どちらかと言うとレコーディング中心?

西垣 ずっとそうだったんですけど、最近は、ちょっと、楽しくなって来ましたよね。ライブをやることに。ああ、これも楽しいから、やってみよう、と。

藤原 そうですね。このままやっていけたらなあ、と。曲を作っては発表して、というのを繰り返せればいいですね。

----これからの方向性としては、曲を作って、ライブで演奏して、曲がたまったらCD作って。

藤原 みなさんに買っていただければと。

----プロデビューとかは?

西垣 ガツガツとこれでもうけたり、レコード会社からメジャーデビューとかは、できないでしょうし、しようともしてないので、普通に考えて、ジャカジャカとラジオで流れるような作風でもないですし。

----ドイツとか。

西垣 出たよドイツ。来たよ(笑)

藤原 どうもジャーマンだね。

西垣 やっぱジャーマンだよね。これからは。

藤原 素敵だよね。アウトバーンとか。

西垣 日本のインディーズのノイズの方々は、ドイツで評価されているんですよね。

藤原 すごい評価されてるよね。何でドイツなのかなあ?

西垣 テクノ発祥の地ということで。

----いろんな人に言われたの? ドイツじゃない?って。

西垣 でも何となくそんなイメージありますね。でもどう考えてもまず日本語がわかっていただけないし、まあ、僕らがトラックに合わせているように、ドイツ語をまくしたてているような曲があれば、すごく聞いてみたい。無いと思うけど。

藤原 俺も聞いてみたい。

----ドイツのレーベルに送ってみるといいんじゃないかな(笑)

西垣 どこに送るんですか?(笑) 連絡先がわからないし、そんな変なレーベルだと英語サイトもあるかどうか。まあ、藤原くんはドイツ語ペラペラだから大丈夫ですけど。

藤原 日常会話レベルならね。ダンケ・シェーンとか(笑)


◆聞いていただけることに感謝しつつ

----アルバム作って、何か変わりましたか。

西垣 とりあえず、作る前は、僕と藤原くんが作って、僕と藤原くんしか聞いていなかったので、これを作って、知り合いやらに差し上げて、ディスクユニオンで売ってもらえることにもなり、知り合いのみならず、不特定多数の人に聞いてもらえるようになったのがよかったですね。まあ、これを聞いて良いと思うか、ダメだと思うかは別にしても、とりあえずいろんな人に聞いてもらえるようになったことが大きいですね。お店で売ってもらえると思って作ったものじゃないですからね。

藤原 非常にうれしいことですね。それまでは形にしたものが無かったし、デビューミニアルバムとは言うけれど、初めて形にしたものだし、一応成果というか、ある種の充足感はありますね。

西垣 映画も撮っても、観客が見なかったら、ただの巻いてあるフィルムにすぎなくて、人に見られて初めて映画として成立すると言っている人がいて、せっかく曲を作っても、二人が部屋で聞いているだけだったら、それはそれで楽しいけど。でも、聞きたいという人がいて、聞いてもらえるのはもっとうれしいですね。

藤原 聞いていただけることに感謝しつつ。

西垣 少しでも興味を持っている人がいるなら、どんどん聞いていただきたいですね。

----じゃ、今回のイベントを機会に聞いてもらえる人も増えるといいですね。

西垣 イベントで、ライブができるっていうのはうれしくてありがたいことです。はじめは僕が「ヒマだから何か録ろうよー」って子供みたいに、本当に小学生が遊ぼうよっていう感じで適当にはじめたものが、こういうことになって。楽しいですね。

----最後に何か一言。

西垣 今年中にまた4曲入りのCDを出すので、聞いてください。

藤原 よろしくお願いします。

(2004年8月27日、三鷹の知識宅にて。聞き手:知識)



◆タングステン・ヒューズ/LIVE 藤原伸哉(Track)と西垣朗太(Voice)による、二人組ノーウェイヴ・バンド。2003年5月結成。都内某所のスタジオに入り浸る。2004年3月、自主制作盤『Silence Bass』を発売。定期的なLIVE活動を開始した。

Silence Bass



DUB+JAZZ+HIPHOP+WORDS=tugstenfuse
都内を拠点に活動する、2人組のノーウェイヴ・バンド「タングステン・ヒューズ」初音源となる、6曲入りのミニ・アルバム。一度聴いたら、すぐ歌える様なキャッチーな楽曲たちではないが、奇妙な違和感として旋律とボーカルが耳と頭から離れないでしょう。

Tracks:
1.another girl
2.水媒花
3.刹那 回転 残響音
4.バタフライ・ナイフ
5.Silence Bass
6.tablet drug

*現在廃盤。1stアルバムに同内容の曲目あり。

POSITIVE NOISE ON THE BASS LINE
POSITIVE NOISE ON THE BASS LINE
tungsten fuse
| INTERVIEW | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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